ワンコのこと

家には、ミックスのワンコがいる。

4歳で、オスだ。

ミックスとはいっても、ハーフではないので、古い言い方をすると「雑種」だ。

出会ったのは、先住犬が通っていた動物病院。

そのころは、先住犬が11歳のころで、初めての多頭飼育でもあった。

先住犬は14歳で亡くなった。今いる子とは、3年くらい一緒だったことになる。

先住犬は、オスのラブラドールで、ペットショップ経由で迎えた。

家へ迎えてから、生後2か月になった。

正直大変だった。それでも生後7か月を迎えるころには、慣れてきて、言うことも聞くようになった。名前は「ジャッキー」という。

今いるワンコも生後1か月半くらいで、迎えた。

名前は「チェン」。

「ジャッキー」の相棒だから「チェン」なのだ。

ただ、雑種とはいえ、どうも「柴犬」の血が流れているらしく、かなり育てにくい子だった。

純血種ではないので、体格は「柴犬」よりもやや大きめだ。

ワクチンやら狂犬病の予防接種がすむまでは、ほとんど家で過ごしていた。

ここはもう少し、抱っことかで外に連れていくべきだった。

予防接種がすんだころ、夏になったので、散歩も控えめ。

「ジャッキー」は11歳だったが、散歩は日に1回はしていた。

「チェン」とは、年齢も体力も違うので、1頭ずつ別々に散歩をしていた。

かなり吠える犬で、しかも「ビビリ」だった。

ビビリゆえに、よくかみつかれたものだ。

成犬になる前でも、噛まれると結構痛いものだ。

今思うと、これはかなり反省しなければいけないのだが、ビビリだからと言って、まったく散歩に行かないというのも、彼にとってはストレスだったのかもしれない。

先住犬を優先にしていたので、「嫉妬」もあったのかもしれない。

体が小さいうちは、「ジャッキー」に負けていたが、あまり体格が変わらなくなると、ちょっとした小競り合いもした。

それでもビビリなので、大事には至らなかったが、もう少し2匹の関係をちゃんとしておけばよかったのかなと思っている。

というのは、今チェンと散歩をしていて、だんだん慣れてきてほかの犬や通りすがりの人に、関心を持てるようになったのはいいとして、いきなり行くので、相手の犬が(飼い主も)、大きな犬に慣れている場合は、ちょっとは相手をしてくれるのだが、たいていは、飼い主にさけられてしまう。

こっちも、万が一のことがあってはいけないと、急いでしまう。

最初は、すれ違うのも怖くて、こちらが迂回してしまったほど。

今でこそ、犬を連れていない人とか自転車や車などともスムーズにすれ違えるようにはなったが、最初は大変だった。

そして、犬好きな人に声をかけてもらっても、決して近づこうとはしない。

まあ、まだ4歳と若いほうなので、その辺りは徐々に慣れていくしかないだろう。

一緒に暮らしている夫にすら向かっていく。

私抜きで、同じ部屋でテレビを見ている分には、全然大丈夫なのだ。

これが私がいて、二人で話し始めると「僕も仲間に入れて」とばかりに吠える。

もしくは「遊んでほしい」と吠えることもある。

部屋を出ていこうとしようものなら、縋り付いて離れない。

私にはしないのだけれど、夫にはするのだ。

獣医さん以外の男の人は、苦手なようだ。

ビビリとはいえ、散歩が嫌いなわけではない。

散歩は好きだけど、大きな音が苦手なので、急に引っ張ったりする。

ただ、一ついいことは、「拾い食い」をしないこと。

先住犬がいたころは、すごく焼きもちを焼いていたが、今は焼きもちを焼かなくても済むので、落ち着いてきたのかもしれない。

(先住犬も焼きもち焼きだったので、元気なころは、2匹して私のそばに張り付いていた)。

留守番の時に、2匹だと寂しくないかと思ったのだけれど、彼らにとっては、あまりよくなかったのかもしれない。

この先、もう犬を飼うことはないと思う。

チェンがビビリが少しでも解消されて、しっぽをぶんぶん振りながら、歩く日が来ることを願っている。

今は、途中まではしっぽが上がっているのだけれど、だんだんと下がってきて、いい時でも真ん中あたり、家が近づくとまた上がってくる。

尻尾を挙げていなくても、散歩は楽しいのだと思うけれど。

散歩があまり好きでない子もいるから、何とも言えない。

散歩に行くようになってからは、何でもかんでも「ワンワン」吠えることはなくなった。