私が家電量販店で働いていた頃の話

最初は、レジ専任だった。

当時は今ほどレジの機械の性能も良くはなく、レジの操作は覚えてからも大変だった。

そこのお店の機械が特に古かった。

レジうちなんて今までしたこともなかったのに、50歳になって初めてレジの仕事をしたのだから。

しかも私以外は、若い子ばかりで。

ポイントカードにしても、物理カードと、携帯電話とスマホと種類があった。

物理カードはいいとしても、携帯電話とスマホについては、よほどケチなのが大事にしているのかはわからないが、画面が割れている状態で差し出してくるので、番号も(当時は)手打ちで、見極めるのが大変だった。

コンタクトだけでは心もとなく、上からメガネをかけたり、ルーペを使ってみたりもしたが、「ルーペはダメ」と言われて、コンタクトの上からのメガネのみになった。

フォローをお願いしても「ちゃんと見えるようにしてください」と冷たい対応。

レジ専任から、営業に上げてもらったが、売り場が変わった。

けれども、上司との折り合いが悪く、辞めることになった。

仕事そのものは、今思えば一番気に入っていた。

私と入れ替わるようにやめていった人もいたし。

仕事が嫌で、バックヤードに隠れている人もいた。

だから、売り場で真面目に?品出しをしていると、無線で「接客」を命じられもした。

営業の人がレジに来たら、社員ナンバーを打ち込まないといけなくて、なかなか覚えられず、メモしたものをくれた人がいた。

それを見ると、一応わかるのでナンバーの打ち込みには重宝した。

ただ、うっかり打ち込み忘れて、怒られることもあった。

(怒ったのは当人ではなく、別の人だった)。

打ち込み忘れると、レジ担当のナンバーになってしまうからだ。

お客さんからすると、何を買うにしろ、女性の店員は信用できないらしく、プリンターの接客に行ったら「男の店員さんに変えてください」(そこまで丁寧な言い方ではなかった)と言われた。

レジ専任だった頃には「オーディオの専門家と代わってください」と言われて、びっくりした。

そんな専門家なんていないし。

見るからに「おばさん」だから、そう言ったのかもしれない。

それでも面接を受けて、採用されて店員になったのだから。

信用するしないはお客様の勝手かもしれないけれど、言われた方は結構傷つくのだ。

それでも上司とうまくいかなくなるまでは、辞めることはあまり考えていなかった。

どうにもうまくいかなくなったので、辞めることにした。

気持ちの行き違いとでも言うのだろうか?

もっと腹を割って話し合った方が良かったのかもしれない。

けれども、向こうは社員だし、こちらはパート従業員なので、従う立場だから。

うまくいかなくなったら、辞めるしかなかった。

勤務時間が長いのもきつかったし。

休憩も(最後の方は)もらえなくって、しかも早番のはずなのに、ラストまで残された。

そういうことも重なっていた。

「バイトでいいから残って」とも言われたのだけれど、「いえやめます」と言った。

最後の職場では「決めたことなら仕方がないですね、わかりました」と言われて、ちょっと寂しかった。

今、そこの職場でもう一度チャンス(家電量販店の方)があったとしても、行かないと思う。体力的に無理だから。

Apple IDのこと

今はそんな人はいないだろうけれど、私が勤務していた頃は店頭にやってきて「Apple ID教えてください」と言った人がいた。

「お客様がご自分で作ったのではないですか?」と聞いたところ「そんなものはついていなかった」と言われた。

いやいや最初からついているんじゃなくて、自分で作らないといけないのよ。

アップル製品、iPhoneとかiPodとかは、購入後すぐに「AppleID」と「パスワード」を設定することになっている。

店頭に来られた方はおそらく、家族の誰かにやってもらったのだろうと思う。

夫は、去年iPhoneに機種変更したのだが、Apple IDとパスワードには困惑していた。

それ以前はAndroidスマホ(といっても、OSがAndroidなだけで、たいして使えもしない簡単スマホだった)を使っていたから、Googleアカウントとパスワードは持っていたはず。

ただ、パスワードの作り方が単純そのものだし、同じパスワードを使い回ししているので、危ないことこの上ない。

ネットではトラブルも経験している私に言わせると、本当に危なっかしくて見ていられない。

今はさすがに家電量販店へ行って「Apple IDを教えてください」なんて言う人はいないだろう。

私が勤務していた頃にはいたのだ。

Apple Storeでアプリをダウンロードするときには、今みたいにTouch IDだとかFace IDがない頃だったので、いちいちパスワードを入力しないといけない。

今は私はiPhoneにパスワードを保存させている。保存できないときはメモアプリに保存している。

タグづけをしておかないと探すのが大変ではあるが。

それ以前は、ノートにパスワードを書いていた。

メモ紙にとりあえず書いておいて、メモ紙ごとノートに貼り付けたこともあった。

今はスマホの中に入れられるので便利だ。

スマホのロック解除はFace IDなので、ロックを解除されることはまずない。

それはおいておいて、Apple IDを自分で作ることを知らない人がいたことに私は驚いたものだ。

家電量販店で働いていた頃の話

入ったばかりの頃は、白物家電売り場でレジを担当していた。

白物家電というのは「冷蔵庫」「洗濯機」「エアコン」などのことを言う。

これらもエアコンは別として、白以外の色もあるのだが、分類としては「白物家電」なのであある。

逆に黒物家電はというと「テレビ」「ビデオデッキ」などのことを言う。

ビデオデッキは黒色以外でもあるのだが、こちらも分類としては「黒物家電」なのである。

レジ担当から、黒物家電売り場の販売員になった。

担当は、デジタルカメラと電話機。

時にはプリンターとかも担当した。

少しだけパソコンも担当したのだが、お客様の話を聞きすぎて、担当を変わられてしまった。

お客様の要望としては「ネットは使わない」と言うことで、「初期設定」も「自分でやる」と言うことだった。

ただ、後からこのお客様は、「ネットを使う」「初期設定もお任せしたい」と言うふうになった。

最初からわたし1人に対応させる店側もどうかと思うけれど、「パートだから」って言う感じだったのかな?

暴露話は、まだ白物家電売り場の「レジ」を担当していた頃。

お客様が来店されて「Apple IDとパスワード」を教えて欲しい、と言われた。

アップル製品は、初期設定の段階で、「Apple IDとパスワード」を設定しないといけない。

そのお客様が手にされていたのは、今では販売していない「iPod」。

「お客様がご自分で設定されたのでは?」と言ったところ「最初からそんなものはなかった」と言われた。

途中から対応は代わってもらったけれど、「Apple IDとパスワード」は自分で決めないとダメなやつ。

あと「iPod touchでLINEをやりたい」と言ってこられたお客様もいた。

これは、他の人も知らなかったようで、「お調べしておきますね」と言うだけにとどまった。

家に帰って調べたところ、電話番号については「携帯電話でLINEをしている場合は、携帯電話の番号を当てることができるけど、携帯電話でLINEができなくなる。携帯電話の番号を当てたくない場合は、電話番号のみを取得する方法もある」と言うことだった。

家電量販店って、家電品(まあ日用品もおもちゃもゲームも売っているけれど)を売る店であって、使い方を教えるお店ではないんだけれど。

あとデジタルカメラをお買い上げのお客様で、すぐ使いたいから「バッテリーを充電させて」と言われたことがあった。

プリンターをお買い上げのお客様も、「テスト印刷とかできないの?」と聞いてきた。

今ではパソコン教室であっても「タブレット講座」「スマホ講座」「デジタルカメラ講座」と言うのがあって、利用することができる。

わたしが店員だった頃も、店舗内にパソコン教室はあった。

パソコンの操作を教える教室で、iPodとかの操作の講座はやっていなかったと思う。

あとレジにきたお客様を対応していたら「あなたじゃなくて、オーディオの専門家をお願いしたいんだけど」と言われた。

あとは、プリンターをご案内したら「女の店員じゃなくて、男の店員を呼んでこい」と言われたこともあった。(セクハラですよ)。

逆に「丁寧な対応をありがとうございました」と手紙をくれて、本当に買いに来てくださったお客様もいた。

ただ、販売員になってから急に上司からの当たりが強くなった。

白物家電売り場でレジをやっていた頃は、優しかったのに、黒物家電売り場の販売員になった途端に、当たりが強くなって、悲しい思いをしたっけ。

まあ、結局それがきっかけで辞めることになったのだけれど。

店長からは「バイトでいいから残って欲しい」と言われたのだけれど、もう嫌気がさしていたので、「いいえ、辞めさせてください」と言ってやめた。

今ではわだかまりもなく、そのお店を利用している。

当時の上司はさすがにもういないので。

もちろん当時の男性の先輩社員はいるし、対応もされるけれど、もう過去のことだから。

先輩社員にはそれほど嫌な思いはさせられなかった。むしろ、こっちが知らなさすぎて、フォローしてもらったこともあるくらい。

パートだからって、ちゃんとした教育もしれくれないのに、一人前の接客をしろと言われてもね。

今でもそのお店の募集(パート)あるけれど「先輩社員が優しく教えます」とか「家電の知識が身に付きます」とか書いてあるんだけど、わたしからしたら「よく言うよ」って思う。

今ではちゃんと教育してくれるのかなと思いつつ、体制は変わらないんだろうなとも思う。

お客として行くのは別にいいんだけれど、わたしは買い物さえできればそれでいい。

もちろん、感じのいい対応とか知識が豊富とかはあった方がいいけれど。

正直なところ、仕事内容としては1番気に入っていた。

パソコンインストラクターよりも。

家電量販店は好きな場所の一つだから。